さなみん

石をひとつ投げ込んでみる心のなか

白い巨塔

白い巨塔。シスプラチンは、兄には効かなかったな。副作用で1か月で60kgが30kgになったな。そんなことばかり思い出して、ドラマを味わえない。BGMのうるささが、遺族にしたら腹立たしい。ガンが発見される前、兄は脳腫瘍を蓄のう症と誤診された。手術で脳の…

ごみゼロの日に毎年思うこと

ちょこっと書いていた別サイトの不具合があまりに多いので、書くところを探してうろうろした。 いくつか放置してあるブログの中で、一番読んでいる人が少ないのがここ。 本音を書くのにはちょうどいいので、これからしばらくここに書こうかなと思う。 ブログ…

麻央さん報道に思うこと。

しばらくテレビをつけていない。 どんなに忙しくても、ニュースくらいは見たかったのだが、ここ数日は怖くて見られなかった。 麻央さんが亡くなられたということで、海老蔵さんの記者会見があったらしい当日は、どこの局のニュースを見ても、その話題で持ち…

ドラマふしぎ不思議

テレビドラマを観ていて不思議だなぁと思うことがある。 実際、そうなの? みんなのおうち。 ★食卓 いつ帰ってくるかわからない夫の夕食が、すでに食卓に並んでいる。 ハンバーグとか焼いてある。トンカツとか揚げてある。 いつ焼いたの? 何時間前 ? なん…

ある意味迷惑メール

老人介護施設の資料を申し込んだ。 その照会サイトを通じて成約すると「祝い金」がもらえる。 施設によっては、入所時の一時金がそれで賄えるところもある。 月額でソートし、安いところの資料(それでも支払えないことはわかっていて)を取り寄せた。 来るわ…

11年目の珈琲

1年前まで、梅が咲きほこっていたところは工事中になっていた。 どこまでが梅林園だったかそもそも曖昧ではあったものの、10年も通っているのだもの、ここにも梅の木が何本もあったことは確かな記憶。 新しい道路を作るらしい。 それが住民にとってどれほど…

ストレス

しなければならないと思うからストレスになる、のでそれをやめよう、という人がいたとしたら、しなければならないのにしない人・しなくて済む人、の存在が私のストレスになる、って話。

キ・オ・クと今と

ゆるやかな揺れの後、緊急地震速報が鳴るかもしれないと思って身構えた。 災害やその被害に対してでなく、スマホに対して構えてどうなるというのか。 愚かなことだが、その瞬間は確かにそうで、けれども速報は鳴らなかった。 震源が深すぎると鳴らないらしい…

錯覚

バスルームにウォールシールを貼った。 カランや鏡のある面と、ドア部分を除いた3面の壁。 湯船に浸かってみると、これまでと違った非日常感が嬉しい。 日常に安らぐ、という人も多い。 いつもと同じ、という安心感。 でも、私は。 いつもと違うことに寛ぎを…

年初雑感

折り畳みではなくしっかりした傘を持って行くのがいいでしょう、と画面の中で気象予報士が告げたので、16本骨の長い傘を携えて出勤した。 さっきまでそのことに文句をつけたくなるような青空と日射し。 と、いきなり、地響きのような音を立てて突風が吹く。 …

酒の席で、職場の未婚の男性社員が 「(アナタには)子供がいないからわからないんだよ。」 って言われると、もうそこで反論終わり、みたいことになると言っていた。 なんでそんな話になったか忘れた。 でも、うん、そうだね。 私もですよ。 私のカラダは、…

寄り道

クライアントのところに届け物に行った帰り道、金毘羅宮に出会う。 高層ビルの谷間に、ひっそりと、ではなく堂々と鎮座しているところがいい。 文句あるか的な佇まい。 ここへの参詣が目的ではなく、ついでに、あるいは偶然に寄った人ばかり感がなおいい。 …

コンビニにて

その女性はいつも怒っていた。 店長からきつく言ってもらうから、という言葉がこぼれたところをみると、店長は別にいて、その人は主任か何かなのか、ただの先輩店員にしては口調が厳しい。 あなたの言い方だけで充分にきついです、と陳列棚を物色しながら思…

サンダル

ずっと前の夕陽。 いろんなことが起こっていると思っては嘆いてたのに、実は大変なことはまだ何も起こっていなかった頃の。 夕焼けの国の続き。 ブランコの下にサンダルを片っぽ、残して行こうと思ったのは。 それを取りに戻るためだった、と気づいた。 こん…

夕焼けの国

夕陽を観た。 ずいぶんと久しい気がする。 兄の入院、手術の後、ようやく自宅暮らしになったものの、平日の仕事が終わるのが6時、帰宅すると7時半になっているし、休日は実家に行くことが多くなって、日没の頃に外を見る機会はない。 今日、夕陽を観たのは…

嫌な女

試験勉強がはかどらないのは、兄の手術のせい、ということにしよう。 明日は、お昼に仕事を早退して、病院からの説明を聞きに行く。 「万一失敗しても、文句つけません」てな承諾書にサインをする予定。 ふと、思う。 私のときは、いったい誰がサインをして…

父が来た朝

朝起きてすぐに、母に電話をした。 出ない。 兄の携帯にかけた。 何回か呼んで、すぐに留守番電話サービスの声になった。 この女声が、いつも高すぎやしないかと感じている。 女性の声は、もうすこしアルトが好み。 玄関の物音に気づいて寝室からリビングに…

おカネだけちょうだい

広島の土砂崩れの被災者が、今もまだ避難している学校施設だかに、ようやく臨時のお風呂が設置されるという。 着の身着のまま逃げてきて、蒸し暑い夜をいくつも過ごして、やっとお風呂に入れるのか。 空き家が増え過ぎた問題を聞いたのも最近のこと。 そうい…

私の子供は死んだから

私の子供は死んだから。 産休や育休をとって、同僚に業務を負担してもらっているときに、ただ産まれた赤ん坊だけを見せに、会社に来ないでほしい。 出産や育児の大変はあるのだろうし、気晴らしも欲しいだろうし、自分には可愛く見える赤ん坊を自慢したい気…

なんとなく

なんとなく嫌なのだ。 ゴジラのハリウッド版。 ゴジラ誕生をリアルタイムでは観ていない。 何年か経って、テレビで観た。 でも、その頃、第五福竜丸の事故があったことは知っている。 ビキニ環礁での水爆実験。 ゴジラは、水爆実験によって巨大怪獣となった…

行き場

物干し竿は固定した。 ベランダのサンダルは、玄関に避難した。 朝起きて、ベランダのサッシを開けると、容赦ない雨が吹き込んできたので、慌てて閉めた。 行き場を失った二酸化炭素が、もわりという湿気になって、部屋の中に淀んでいる。 その二酸化炭素を…

静かに

はてなでの最終更新をしたある人気ブログの記事に、 「はてなは、静かにブログを書かせてくれないところだよね。」 という記述がある。 「自分がいる場所に勝手にとびこんできて、そこをかき乱してくるなにか、っていうのがある。」 「ブログは生身の人間が…

七夕はいつも雨降り

雨が降ると、織姫と彦星は逢えないのか。 雨が降ると、天の川が洪水になるのか。 でも、天の川は水じゃなくて星なんだから、渡れないということはないんじゃないの? いや、だとすれば、そもそもカササギの橋など要らないことになる。 違う、違う、雲の上に…

サル

オフィスのエアコン室外機が嫌な音を立てている。 除湿にすると暑いし、冷房にすると寒い。 冷房温度を28℃にすると暑く、27℃にすると寒い。 どっちつかずの苛立ちを、室外機の音が煽っている。 2階の窓からは、向かいにあるハンバーガーショップの2階がよ…

ふり

旅に出たくても出られない人から見たら、旅日記は憧れ半分、淋しさ半分。 食事がままならぬ人から見たら、ご馳走日記も、羨望半分、嫉妬半分。 ときによって、そのバーが、半分よりこっちに来たりあっちに行ったりする。 純白と漆黒の間に、無数のグレーゾー…

着信記録

お風呂から出て、何の気なしに見ると、固定電話に新しい着信記録があった。 表示されたのが名前ではなくて、番号なのは、アドレス帳に登録していないから。 でも、その番号を、私はそらんじている。 いつもは、誕生日とかクリスマスとかお正月なのに、なんで…

買えなければ死ぬ

ガソリン値上げのニュースをテレビが告げている。 インタビューアーにマイクを差し出された市民が、値上げは痛い、と訴えている。 しかし。 その人の「痛い」は、遊びに行くための経費がかかる、ということだった。 気分が悪くなって、よその局に替えた。 ど…

多面体またはアメーバ

私の他には誰もいないオフィスに、FAXの音が響いている。 大概は、経営セミナーの案内とか、節税のコンサルティングのお誘いで、ゴミ箱に直行だ。 エアコンの音も聞こえてくる。 それから、外を通る車の音。 オフィスは、どちらかといえば商店街にある。 私…

ポスト

ブラジルとチリのPK戦が決すると、もう4時に近かった。 梅雨空のせいで、太陽の明確な気配はないけれど、心なしか明るくなってきていて、 久しぶりに朝まで起きていたなと実感した。 別にチリのファンでもサポーターでもないが、PKで最後のキッカーが外した…

蟹を産む

大量の蟹を「産んでいる」夢を見た。 小さな沢ガニみたいなのもあれば、郷里の名産のずわい蟹もある。 そして、彼らはみな生きていなかった。 産むというより、排泄であったのかもしれない。 この夢の深層分析は必要ない。 青が群青になり、やがて墨色になる…