さなみん

石をひとつ投げ込んでみる心のなか

ドラマふしぎ不思議

テレビドラマを観ていて不思議だなぁと思うことがある。

実際、そうなの?

みんなのおうち。

 

★食卓

いつ帰ってくるかわからない夫の夕食が、すでに食卓に並んでいる。

ハンバーグとか焼いてある。トンカツとか揚げてある。

いつ焼いたの?

何時間前 ?

なんか乾いてない?

冷えちゃってるし。

それって、夫婦仲が冷えてるって象徴するシーンなの?

 

普通は、たとえば、夫が帰ってきた顔見てから、着替えてるあいだに焼くとか、最寄駅から連絡もらって、歩いてくるまでに揚げるとか。

食卓に着いて、まずビールを一口、ゴクリと喉仏が上下した次の瞬間に、焼き立てのハンバーグが出てきたりしない?

まあ、サラダとかキンピラとかはその時点で並んでるだろうけど。

 

★大家さん

見ず知らずの女が「私ぃ~、妹なんですけどぉ~、兄の部屋来たら留守でぇ~。開けてもらえますぅ~?」なんて言うと、大家さんは何の不審も抱かぬふうで「はいはい」と鍵を開けてしまう。

ってシーンを見ると、怖ーっ!と思う。

ま、免許証とか健康保険証とか見せられて、それがたとえ偽物でも、区別つかんやろな、とも思うけれども、少なくとも、「自称」でOKなんだよね。

 

★病院

交通事故で急きょ入院した男の病室の前で、もぞもぞしていた女に、看護師さんが

「どなたですか?」

「妻です。」

「あぁ、奥様ですかー。これ、ご主人の所持品です。」

と、貴重品とかあっさり渡してしまう。

そのドラマでは女は実は妻でなく敵だったので、見ているほうをヒヤヒヤさせたかったのだろうと解釈したけれども、私は、いや、怖いわ病院、とそっちに不信を感じて興がそれてしまった。

これも「自称」でOK。

 

日本は治安がよくて、みんな善人なのよね。

 

田舎で育った。

田舎では、外出するときも夜寝るときも鍵とかかけなかった。

留守中ににわか雨が降ると、お隣のおばちゃんが取り込んでおいてくれたりした。

田舎に残る親戚のおばちゃんの家では、今も、鍵をかけなくて、留守の間に近所の人が勝手に上がり込んで、作物とか惣菜のおすそ分けを置いていく。

それは、地域の助け合いという点ではすごくいいんだけれども、ま、そこまでになった経緯とか関係性とかがあるからで、見ず知らずの人の「自称」でOKっていうのは、どうなんだろう。

 

このあたりが出てくると、急に、ストーリーや登場人物から心が離れてしまう。

ドラマなんだからそんなにリアリティばかり求めているわけじゃない。

でも、シリアスなドラマで、そんなシーンに出くわすと、もしかして、これが「普通」「普遍」というもので、私の感覚や生活がおかしいのかしら、と、不思議な戸惑いに揺れる。